瞼の人-マブタノヒト-
なんでこんなよく知らない子に言われなきゃなんないんだろう。
高宮君が迷惑って言ってたって??
そんな事わざわざ言ってくれなくても知ってるよ。
付きまとう??誰が。
すごくムカついた。
凄い悔しかった。
自然と頬を伝った涙は多分悔し涙。
言い返してやりたいのに、涙が邪魔して声にならなかった。
「あんたねぇ!!こっちが黙って聞いてりゃ調子のりやがって!!」
そう怒鳴りながら追いかけたユーリ、廊下からはユーリの怒鳴り声とさっきの子の叫び声が聞こえてくる。
「自分が高宮君に相手にされてないからって、八つ当たりすんな!!」
「鏡を見てしゃべれ!!このブサイク!!」
「むかつく!!むかつく!!むかつくーー!!」
どんどん大きくなる騒ぎ。
耳には入ってきてるのに、教室で座り込んだまま動けなかった。
ただ、ただ溢れでてくる涙を止められなかった。
あぁ、私はショックをうけてるんだ。
やっぱりこんなにも高宮君が好きだったんだ。
涙が止まらなかった。