僕のどうしようもない出来事
「ただいまー」

俺は玄関を抜け、二階にある自分の部屋に鞄を放り投げた。
そして、すぐさま一階に下りた。
食事にありつく為だ。

そこには、煎餅を齧りながらテレビを見ている『綾子』がいた。
見ている番組は、サングラスをした司会者の番組だった。

「おかえり。悪いけど、ご飯用意してないから自分でなんとかしてね」

俺は、相手に聞こえないようにため息をついた。

「分かった。外で食べて来るから、金くれよ」
『綾子』は、「しょうがないわねえ」と言って千円札を俺に手渡した。
俺は、その千円札をサイフに入れ部屋を出ようとした。

「いって来ますぐらいちゃんと言いなさい!」

社会の常識を言われてしまった俺は、
「じゃあ行って来るよ。綾子」

母さんは、ポカンと口を開けていた。
俺はそんな母さんにお構いなく、家を出た。

『母さん・・・』
『気持ち悪いから、顔を赤らめるのだけは止めてくれ』
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