僕のどうしようもない出来事
 俺の住んでいる町は、田舎だ。
田舎と言っても、田畑が並んでいて酪農が盛んと言うわけじゃない。
しかし、都会のようにビルが並んでいるわけでもなく、大きなデパートも無い。
駅前まで行けば、少しは栄えているが大したことは無い。
後は、家家家家家家・・・・
そんな何の面白みの無い町に、俺は生まれ暮らしている。


「でも、海はあるよね!」
向かいに座っていた、川瀬がニコニコしながら言った。
俺は、口の中のハンバーグを飲み込み、

「あんまり綺麗な海じゃないけどな」
「でも海のある町って、あこがれる物だよ?」
「そうか?俺はずっとここに住んでるから、憧れは無いな」
「そんなもんかなぁ?」

ここは、駅前によくあるファミリーレストラン。
店内では、多分ジャズであろう音楽が流れていた。
俺はハンバーグ(ライス・スープ付き)を食べていた。
川瀬はダージリンティーなる洒落た物を飲んでいた。
・・・只の紅茶か。


なぜ俺が、コイツと楽しげに食事をしているかというと、
約1時間前・・・・・・・
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