僕のどうしようもない出来事
「やっぱり手伝う!!」
その大きな声に俺はビクリとした。
「いい一年にするって決めたから!!私も手伝う!!」
俺はただただ川瀬の力強い顔を見ていた。
「二人でやったらすぐに終わるよ。それともやっぱり邪魔かな?」
俺は首をブンブンと横に振った。
「ガンバロっ!」
久しぶりに見た彼女の笑顔は、夕日のせいか一段と可愛く見えた。

全部、俺のせいだ!!
調子に乗ってあんなこと言わなければよかった!!
こんな可愛い笑顔を濁らせたのは俺だ。
あの時は、たぶん暑さのせいで心が浮付いていたんだ!
いや受験勉強にやられていたんだ!
まあ理由なんてどうでもいい。
今は彼女の優しさを無駄にしないよう、それだけは努力しよう。

「岸本君、私美術室に絵の具借りてくるね」
そういうと、川瀬は小走りで教室を後にした。

「・・・・・・岸本君か」
もう俺は『二階堂サブロー』ではない。
今は、というより生まれたときから俺は『岸本――』だ。
そんな当たり前のことなのに、なんで悲しくなるのかな?

思い出してはいけないと分かっていても、気持ちとは正直なものだ。
それを汲み取る脳味噌もまた正直だ。
俺の頭はあの夏の日に戻っていった。


俺はやっぱり川瀬が好きだった


俺が川瀬に告白する数日前に場面は変わる・・・・・・
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