スイーツな恋
扉をあけて塔子ちゃんを非常階段に招き入れると、尋問した。

「どうして、私たちの写真を掲示板にはったり、こんなことしたの?」

塔子ちゃんはうつむいたまま、ぼそぼそと話し始める。

「…私は、陽菜に目を覚まして欲しかったの。」

塔子ちゃんが顔をあげるとわたしの目を真っ直ぐに見つめて訴える。

「そいつとつきあうってことは、そいつと同じ色眼鏡で見られるって事なのよ。みんなから軽蔑と嘲笑され続けるのよ。それでいいの?」

「違うな。それは、お前の本心じゃない!!」翔馬が口をはさむ。

「言えよ。本当の理由、バレてるぞ!」

翔馬はすごみをきかせた。塔子ちゃんは観念して言う

「いつも、私のことを姉のように慕って、男なんて知らないって顔の子供のような陽菜が大好きだった。たまらなく可愛かった。でも、好きなヤツができて変わっちゃった。
私と昼ご飯もう一緒に食べないなんて言われて、私は他に誰と食べたらいいの?」

「私、さびしかった。だから、取り戻したかったの。私の陽菜を…」

「塔子ちゃん!!」
わたしは思わず塔子ちゃんの名を呼んだ。でも、なにを言えばいいのか、後の言葉がででこない。

「…でも、いいわ。…もう、いいの。私の好きな陽菜はどこかへ行ってしまった。さようなら」

塔子ちゃんは身をひるがえすと、階段を降りていった。

「塔子ちゃん、待って!!塔子ちゃん!!」

わたしは叫んだ。涙が出でいた。

泣くわたしを引き止めて、翔馬は力強い腕で抱きしめた。
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