スイーツな恋
リビングに足を踏み入れると、むせかえすようなタバコのにおいがあふれかえった。

家の中は、いつもタバコのにおいが充満していて、好きじゃなかった。

リビングで父さんが空気清浄機もなく閉め切ったままタバコを吸うのだ。
誰にも父さんにはさからえない。

父さんはいつも背を向けていて、わたしの方を見てくれたことは一度もない。

新聞を読んで、あるいは、テレビを読みながら、遠く離れたところにいた。

…さびしかった。


お姉ちゃんもわたしのことをさげずんだ目で見ていた。

「私の唯一の汚点は、あなたが妹なことだわ。」

「いい?あなたが何をしても構わないけど、私たちみんなに恥をかかせるようなことだけはしないでよね!」

「この我が家の面汚し!!」
その言葉が今も胸に突き刺さっていて、すぐ隣にあるお姉ちゃんの部屋のドアをたたくことをちゅうちょさせる。





< 14 / 44 >

この作品をシェア

pagetop