スイーツな恋
晩御飯も終わったあと、わたしは自分の部屋に引き上げた。

「まあ、すごい、成績あがったじゃない!!これなら志望校いけそうね!」母さんの嬉しそうな声。

「がんばったな!」これは父さんだ。わたしのことはめったにほめてくれたことはない。

「だって、どっかのヤツと違って、ここが違うもの」お姉ちゃんが得意げに言う。

「そうね。私達の自慢の娘だわ」

階下から三人の楽しそうな笑い声が響いた。

もう、やだ、こんな家、耐えられない!!
出て行ってやる!!

いつもなら、こういうときは、塔子ちゃんを頼る。
でも、塔子ちゃんとは絶交中だから行けない。

翔馬の顔が浮かんだ。

私は家を飛び出すと、翔馬の家に急いだ。

外は雨が降っていたけど、ぬれるのもお構いなしにかけていく。

当然やってきたわたしをみて、翔馬は仰天していた。

「どうしたんだよ。ずぶぬれじゃないか!!家に入れよ」

「お願い!!泊めて」

「お前、それがどういう意味だか分かってんのか?」

「うん、わかってるよ。いいの」

「だって、禁煙の約束、二週間まだたってないし、俺、こっそり吸っちゃたし」

「いいの、そんなの。お願い、ひとりはイヤなの!!」



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