シークレットラブ



後ろから聞こえてきた声に振り返る。




「……?…どうぞ…」




その人は、私より少し年上で、壱也みたいなきれいな顔立ちをしていた。



「ありがとう。君みたいなきれいな人がどうしてひとりで?」




「きれいなんて、とんでもないッ!!…一緒に来た彼が、一緒にいられなくて…」




噴水を見つめ、苦笑いをする。




「そうなんだ…、その人、彼氏さん?」




「あ…はい…、」




そっか、残念。なんて言ってその人は笑った。




「おい。」




突然聞こえた声。




「秋山さん?」




私が壱也って呼ぶ前に、隣にはいた人が壱也の名前をよんだ。




「流依、もう帰る。さっさと行くぞ。」




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