シークレットラブ
*流依視点*



「どこ行こう…」




壱也を待たずに、部屋を抜け出したことを後悔しはじめていた。




気付けば2時に部屋を出てから、3時間はたっていた。




太陽は沈みはじめ、オレンジ色の光を放ち、風も冷たい。そんな街並みをとぼとぼと歩いていた。




「綾ちゃんのとこ行こうかな…」




と考えてみたものの、今日、綾ちゃんは“例の彼氏さん”と出かけていないことを思い出す。




「………私ってとことんついてない…」




もうどうしようもない…
そう思った時だった。







「ヤッホー 君、ひとり?」






そんな声が聞こえて、後ろを振り向くと、2人組のいかにも軽そうでチャラチャラした若い男が立っていた。




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