one.real
総司さんの作業を目で追っていた俺は、動きを止めてあっさりと言った総司さんの表情を伺った。
いつも通りの総司さんは、怒ってる訳でも、冷静を装ってる訳でもなさそうだった。
『今もどう見たって碧杜は篠田が好きだし、篠田も碧杜が好きだろうが』
本当に純粋にそう思ってるみたいだった。
総司さんは淹れ終わった紅茶を音も立てずに壁際のスツールの前、碧杜が座る席の前に置いた。
『…変わったのはお互いの世界だけだろうな』
ー…まぁ、皮肉な事に"世界"ってのが全部なんだけど。
総司さんが哀しげに言い終えた時、
店のドアに掛けたベルが響いた。