one.real
『久しぶり、総兄』
『ああ、そこ座れ』
振り返り、視界に映る姿。1ヶ月ぶりに会う親友は前回会った時より少し元気がないように見えた。
黒いキャップを目深にかぶり、そのどこか凛とした表情と長い手足、薄暗いバーの入り口で圧倒的な存在感を放つのはやっぱり"碧杜"であって俺の親友の姿じゃないけど、
壁ぎわの、俺の隣に腰かけて、
『待たせてごめんな、
…潤、久しぶり』
キャップを緩くかぶり直して微笑む顔はすっかり俺の知ってる"ヘタレ碧杜"だった。
TVでは見せる事のない緩い表情で、少し冷めたアールグレイ(碧杜はかなり猫舌だ)を嬉しそうに飲む。
…コイツの支えに、俺はなれてるんだろうか。