one.real
エレベーターのドアが閉まり2人きりになると、椎名さんはいきなり俺に向き合って言う。
『一回事務所戻るから』
『そうなの?次ラジオじゃなかった?』
今朝スケジュールを確認した時も、俺の手帳にもそう書いてあった気がするけど。
『ああ、あれは気にしなくていいから。社長がアンタに話あるって』
『話?なに』
『これからのことよ』
これから?なんの?
『なに、まさか俺本当に移籍ですか?』
さっき駄々をこねていた心を思い出して、尋ねる。