one.real
「足だるっ」と言って廊下を進んでいく三浦さんを俺はクスクスと笑った。
椎名さんは三浦さんの教育担当だったらしく、こんなこと言ってても二人はすごく仲が良い。
椎名さんは確かに面倒見がいいタイプだけど、三浦さんの事は信頼してる…気がする。
着いた会議室。
まだ社長と椎名さんは来ていなかった。
『碧杜お前なんか飲むー?』
『あーえと、じゃあオレンジで』
『オレンジ?オレンジジュース?やっぱガキだねぇ』
『……』
隅に置かれた冷蔵庫の中を漁りながら、馬鹿にしてくる三浦さん…いや、オッサンで十分かも。