one.real

だけど、窓の向こうに目線を置いたまま三浦さんはコーヒーを飲み干す。

何を勿体ぶっているんだろう。


『三浦さん?』


名前を呼んで促す俺に一瞬だけ視線をよこした彼が、少し知らない人に見えた。


『視界の広さと心の広さは比例するんだってよ』

『は?』

『対応力っつーの?特に男は結婚って逃げ道ねぇ分柔らかーく社会を生きなきゃな』

『…どうしたんです?』

『こーんな狭い隙間から眺めたってなんにもプラスになんねぇって事だよ』


俺の疑問に答えた声は明るい。普段通りの声。

ただ。

変なのはその眼だ。

俺を見る、らしくない程の真剣な眼だ。

そしてその眼と同じ真面目な言葉。


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