私の中の眠れるワタシ

それをきっと颯生も、血だらけの浴室で、見ただろう。

ワタシの決意の中で集められた、大切な物のなかに、颯生はいなかった事を。


でも、お互い様だよ。

あなたもずっと、来なかったじゃない。


今朝、仕事に行かないで、一人にしないで、とワガママを言ったワタシは、夕方には一人で、一人きりになろうとしていた。


大切なはずの、颯生抜きで。


だから颯生が、バスルームに駆け込んで来た時、全くなんの感情も沸かなかった。




< 11 / 433 >

この作品をシェア

pagetop