私の中の眠れるワタシ

先生は、車を公園の側に停めた。

何も言わず、私が話し出すのを待つ。

沈黙が続く。

私が口を開かなければ、永遠にこのまま、時間が止まってしまうような気がした。



「私。
ずっと先生の事が好きでした。
……だ、だけど、それだけです。
今も、好きですけど……だからどうということはないんです。

先生に、憧れています。
英語の授業、受けられなくなって、残念です。

部活も、もうないから、先生に会えるのも、少ししかなくて……」


全然上手く話せない。

どうでもいいような事ばかり口をついて出てくる。

結局、最後には。


「もう、好きだったのは、前の事で。
今は、好きな人がいて。
先生に、一度伝えておきたかっただけなんです。

自己満足なんです。

告白の、練習……。みたいな。」


とうとう、嘘まで口からこぼれ出した。


違う、違う!こんな事、言いたかったわけじゃない!!




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