私の中の眠れるワタシ
「好きな人が他にいるかは、聞いてません。
でも、いいんですか?ワタシにそんな話、してしまって。
美月と二人だけの内緒の約束だったはずではないんですか?」
「まあな……。でも、美月も、長崎になら話してると思ってたんだ。」
しめた。やっぱり内緒の約束だったんだ。
「まあ、先生も美月も、ワタシの事、とっても信頼してくれてて……
ありがたいですけど。
それにしても。
たしか、今年に入ってからでしたよね?付き合ったのは。まだ、始まったばかりなのに。」
ワタシはわざと、今年の始めとも、最近ともとれる言い方をした。
たしか、一月は。
美月はまだ、雅史さんという、年上の男の事で頭がいっぱいだったはずだ。
ワタシに、あの赤いシミを見せてきたのだから。
春になり、初夏を迎えて……サナミから噂を聞き、確かめに行った。
あの時は、好きな人はいると言ったが、一人だとも言っていた。
……おかしい。先生は、昨日今日付き合い始めたような口調では、なかった。
一体、いつから。