私の中の眠れるワタシ
「あぁ、そうだな。
あれは、春休みの頃からだから……」
春休み?春休み?春休み?
だとすれば、ワタシが噂を聞いて、美月に会いに言った時には、もう……。
「先生。ワタシも先生の事、助けてあげたいけど。
でも、こればかりは、どうにもできません。自分の口から聞くしか、ないじゃないですか。」
同情したような口調を作って、そう言う。
「そうだよな。ごめん。
まあ、だけど俺、長崎に話せてよかったよ。すごく、気が重かったんだ。
なんか、悪い事してるような罪悪感があって。
いや、たしかに生徒とそういうのは、ヘタしたら犯罪だけど。
でも、俺は真面目に、真剣に付き合っているんだ。」
「先生。遅いのでもう帰らなくちゃ。」
遮るように、言葉を被せた。
悪い悪いと言いながら、車を発車させる。
随分長い時間、話していたように思ったが、以外にも、数十分しか経っていなかった。