私の中の眠れるワタシ
−−決して誰にも言わないで。
この約束だけは守ってもらう。
これが後々、私をどれだけ救ってくれるか、知っているから。
彼は、私がいかに部活に熱心で、律義に約束を守ろうとするのだろうと感動していた。
「わかった。わかったよ。絶対言わないよ。二人のヒミツだね。」
……そう。二人の。
私には私のヒミツ、彼には彼のヒミツと、中身は違うものだけど。
彼は、私を隠れ家にかくまい、恋心を温めるヒミツ。
私は、自分の本音を言葉でかくまい、彼を欺くヒミツ。
三宅ちゃんの事、好きになってあげても、いいのに。
だけど、できない。
そんな事打ち明けたら、もうここには居られない。
「ごめんね……。」
穏やかに、幸福に包まれて眠る横顔を見つめては、たまに罪悪感に苛まれ、一人でそう、呟く。