私の中の眠れるワタシ

盗み読みしたがる男子も多かった。
そのノートの中に、クラス中の秘密が溢れているように思うのだろう。

自分の名前があるに違いないと思っている。

残念だが、あるのは三つも隣のクラスの、仲川君の話ばかりだよ。

むしろ、たまにはお返事書くの、交代してくれてもいいよ。

……と、休み時間にちょっかいを出してくる度、心の中で舌をだす。



私にとって、交換日記は、自己満足だ。
優しい自分を、自分で眺めるための、『自己満足』。

時々、以前のページを読み返しては、自分の文才に惚れ惚れした。

まったく進歩のない事で悩み続けるこの子と違って……
私の文章力は確実にアップしている。

友達が、どんどん私に秘密を打ち明ける様子に興奮した。



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