私の中の眠れるワタシ

「ワルイコトをしてる気持ちになるんでしょ?」


彼は、初めて私とベットに入った時、そう言った。
そして急に身体を離した。


私が、黙っていると、

「蜜が、イイコトをしてるって思えるようになってさ。
本当に俺の必要を感じてからできるまで、俺は待てるんだ。」

そう言って服を着た。


何一つ彼に抵抗したつもりはない。
それなのに彼は、やめた。


私には、初めての事だった。


−−肌の体温を感じる事だけが、温もりを伝えられるわけではない。


私はその答えにたどり着いたとき、はじめて捧げる事と受け取る事が同時に行える事を知った。


なにもかも無くしても、別のなにかを、なにもかも与えられる。

それは、私に無くしてしまう事の恐怖感を消した。


いつか、彼と終わる時がきても、私は新しい何かを持って去る事ができるんだ。


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