私の中の眠れるワタシ

年の差なんて




それから、彼と親密になるまでに時間はかからなかった。

私は初めて、人から言い寄られるのでもなく、自分の利益のために近付くでもない、自然な心の成り行きに身をまかせた。



「ね、蜜、一緒に住んでみない?」

彼のそんな提案も、私の気持ちが素直に喜んだ。

「アキヒコ君が、そうしたいって、本当に思ってくれてるなら、そうしたいな!」

彼はホッとした笑顔で、

「じゃ、決まりだ!」

と、笑った。



彼と私が住む部屋には、アロマオイルや、アロマに関する書物、彼の幼児教育論に関する文献、児童心理学、ベビーマッサージの本、そしてフレグランスがあふれた。

私達は、未来の夢を思い、いつも興奮した。

彼は私がフレグランスの会社で新人研修などを担当している事を知ると、

「これなら、二人でお店を持てるのは、早いかもしれない!!」

と、熱く語った。

私はそんな彼がかわいらしいし、夢は実現しても、しなくてもいい。

『夢』があることが重要で、叶えていくことに、こだわりはなかった。


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