私の中の眠れるワタシ
私は彼に、携帯電話の着信履歴も、アドレス帳も、通話履歴も、全部見せろと詰め寄った。

したくない、こんな事。

だけど、何を信じたらいいのか。

自分の気持ちだけだと思った。

その為には、全部知って、スッキリして、そうしたら信じられる気がした。

なにもない証拠がほしい。

だけどそれを探そうとすればするほどに。


ワタシは醜く、彼を罵り、疑い、なにもみつからない事に、『証拠隠滅』と腹をたてた。



−−だから言ったでしょ?信じる気持ちの強さが、恋を実らせるのよ。


どこかで美月が笑い、ワタシはそれを携帯電話をおかしな方向に折り曲げて壊すことで、振り払った。



……結局。
実は、今もわからない。
あれが、あの事が、どの程度の裏切りだったのかなんて。


だけど、ワタシには確実に、大きな裏切りとして記憶され、彼を裏切る大きな根拠になった。




そういう、一日ニナッタ。


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