君との期待値
いるから嘘をつくの?
それとも本当にいないの?
嘘つく理由なんてないのに。
「私……諦めませんから」
その言葉を最後に急速に足音が近づいてきた。
やばい。
そう思った時にはもうすでに足音の主は私の前まで来ていた。
私の正面に来た少女と目が合う。
あっ。
少女の瞳からは涙が零れ落ちていた。
しかもこの子……。
見覚えのある顔に心臓が止まりそうになる。
玄関で拓真を呼び出してた子だ。
確か……赤羽くんのクラスの子で、私のことが嫌いなんだよね。
少女の足が私の前で止まった。