君との期待値
ハハッと少年は笑う。
なーにが『ヒミツー』だ。
女子高生かっつの。
「亜姫は?」
ん?っと目を向けずに聞き返す。
「何でこの部活はいってんの?」
机に頬杖をついて、手伝う気のない少年は質問する。
「ただ植物が好きだからだよ」
「ふーん。拓真先輩は?」
拓真……は、
「知らないなあ」
よく考えたら私って拓真と一年近くも同じ部活なのに
何にも知らないや。
今日もみんなに聞かれて何にも答えられなかったし。
って、そうだ。
赤羽くんに聞くことあったんだ。
「赤羽くん」
「んー?」
「拓真の好きな人ってわかる?」