君との期待値
下で何やら夢と赤羽くんの話し声が聞こえたけど、すぐに赤羽くんが帰ったのがわかった。
それに合わせて私も意識が現実に戻り、階段を降りた。
「あ、お姉ちゃん」
玄関にいた夢は私を見るなりすぐに駆け寄ってきた。
その手には白いケーキの箱が乗っていた。
「見てこれ。駅前の1日限定20個のケーキだよ。
すごいよねー。
藤くんのお兄さんがくれたんだよ」
差し出されたケーキに目を丸くする。
これ……
すごい行列の店のだ。
確か開店前から並んでも買えないかもしれないってやつ。
何でそんなの……。
あっ。
『意外と元気そうじゃん』
あの言葉…。
もしかして昨日のこと心配して来てくれたとか?