君との期待値
「だから……」
赤羽くんが私の方に目を向けながら口を動かす。
その時合った瞳が綺麗でどこか切なげで胸が締め付けられた。
「拓真先輩は亜姫のこと……」
塩の匂いと共に砂浜の風が私たちの髪を揺らす。
な、んで……
どうしてそんな悲しい目をしてるの?
吸い込まれそうになる。
「亜姫のこと……」
彼は私から目を逸らし、俯いた。
ためらうように拳を握りしめていたかと思うと、私の体が彼に引き寄せられた。
「!!」
突然のことにびっくりして持っていた荷物を下に落としてしまう。
頭がこの状況についていかなくて体が固まる。