君との期待値
「でも……、
拓真は亜姫のこと好きなのよね」
………。
言葉が返せない。
自意識過剰かもしれないけど、私もそんなこと考えたから。
もう、拓真のことよく分かんないや。
「それで、亜姫は夏弥が好きってわけか。
なるほどね」
1人で頷く先生。
私が赤羽くんを好きだって気づかれたことには驚かなかった。
だって、先輩が好きだったときも簡単に読まれたし。
色々協力もしてもらったしね。
だから先生は信用出来るってわかってるから、先生にバラれても気にならない。
「うーん。あの2人かあ。難しい選択ね」
ぶつぶつ考え込む先生。
そして、
「どっちも良い奴だけど、拓真の気持ちは去年からすごい見えてたから
夏弥と亜姫がくっついたら可哀想だなあ」
何て言葉が聞こえた。
去年からすごい、見えてた?
拓真の気持ちが?