君との期待値
そんな風に思われたことが恥ずかしくたまらない。
「そんなわけないじゃん」
「へー。ならいいけど」
疑った彼の視線がいたい。
目を合わせるのが恥ずかしくて、作業に集中するふりをして彼から目を離す。
ドキドキ、ドキドキ。
鼓動が速い。
途中、赤羽くんを見てすぐ目を離したり。
前にいる少年に神経が飛んで全然集中出来ない。
私、変かも。
こんなにドキドキするなんて。
これは、さっきのせいだよね。
きっとそうだよね。
ただ……それだけだよ。
まるで自分に言い聞かせるように、ただ時間だけが過ぎていった。