君との期待値
姿が見えなくなったのか、頭の上にあった手がなくなり、代わりに先輩が笑顔で私を見下ろした。
「亜姫、チャンスだ。
頑張れよ」
「!!」
頭には告白の二文字が浮かぶ。
「な、なんで……」
「好きなんだろ。弟に聞いた」
先輩は弟の鞄と思われる鞄を机の横から取り上げた。
「また会いに来るな。
そんときも、今日と同じ笑顔で笑ってくれるの楽しみにしてる」
そう言うと、片手を上げて最高の笑顔で教室を出ていった。
……な、なんで先輩の弟が私の気持ち知ってるの?
私って…やっぱわかりやすい?
先輩の出て行ったドアを眺めながらそんなことを思う。