不思議な家のアリス
暫くそのままクロを見送っていると、「ねぇ」と知らない女の子に声をかけられた。
ちょっと派手な化粧の、茶色い髪の毛をクルクルとカールさせた…俗に言うギャル。
その後ろには、沢山の女の子達が列をなしている。
その顔は、揃いも揃って期待に満ち溢れている様に見えた。
私がキョトンとしていると、女の子代表(?)のギャルは目をキラキラさせて
「黒木さんと、知り合いなの?」
と聞いてきた。
知り合い、っていうか。
一緒に住んでるんだけど。。
「はぁ…、まぁ。」
私が答えると、女の子達の顔がパアッと明るくなった。
直後。
「紹介して!」
「これ黒木さんに渡して!」
「黒木さんのアドレス教えて!」
一斉に詰め寄る女の子達。
私の鞄に勝手にメモの様なものを入れる女の子もいる。
何なんだこれは!υ
「み、道を聞いて案内してもらっただけですから!」
私が咄嗟に嘘を吐くと、女の子達の顔が一気に暗くなった。
「なんーだ、やっぱりこんな田舎臭い子が黒木さんと知り合いなわけないか。」
「紛らわしいわね。」
さっきまでとはうって変わった女の子達の態度。
私に悪態をついてから、どんどんとみんな散って行った。