不思議な家のアリス


野菜を切っていると、寝ぼけ眼のクロが居間に入ってきた。





「今まで寝てたの?υ」

「ん。」


左手で目を擦りながら、欠伸をするクロ。

彼は常に眠たそうだ。


「今日バーベキューだよ。すぐ準備するから待っててね。」



返事の代わりにチラリと居間の窓から庭の3人を見て、クロは玄関の方へ消えて行った。





―ガラッ



クロと入れ替わりに、春が窓を開けて入ってきた。




「しょんべん!!」


私の方を見て偉そうに言う春。


「してきなよυ」

「便所どこ!?」



…あぁ、どうしよう。

酔っぱらい、凄いめんどくさい。



トイレまで春を案内してから、勇志くんのせいで少ししか買えなかった野菜を切った。





―ガラッ



今度は秋夜。


「肉はまだか!?」


春よりもっと偉そうに、仁王立ちで言ってくる。


「あぁ、これ持ってって。野菜はすぐ持ってくから。」


スーパーのビニールに入ったままのお肉を渡すと、中を見た秋夜の顔が曇った。


「牛って…可哀想だよな…。」



うわぁ…。

本当にめんどくさい。

今朝旨そうにトーストに乗った牛肉を食べてた奴が何を言うか。


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