Milk teA KiiS

転校した初日に
確か3時間目くらい。

俺は授業サボって
屋上に行った。

そこには
先客がいて
タバコ片手に
空を見ていた
女の子だった。

それが
沙羅ちゃんだって
気付くのに
時間はかから
なかったよ。

こっちに来ても
相変わらずの人気で
目立ってたからね。

話かけよぅか
迷った俺を他所に
沙羅ちゃんは
俺に気付きもせず

携帯を取り出すと
突然爆音で
流し始めた。

同時に聞こえたのは
音楽に掻き消され
そぅな小さな歌声。

別の人の歌なのに
それは確かに
沙羅ちゃんにしか
紡げない歌のよぅに
聞こえた。

なんか、
なんかわかんないけど
沙羅ちゃんの歌声は
響くんだよな。

心の奥に。

だから声かける
ことも出来なくて、
ただ突っ立てたまま
時間だけ過ぎたよ。

それから
話すこともないまま
月日だけ過ぎた。

遠くからだけど
沙羅ちゃんを見ていて
分かったこと。

舞奈海ちゃんたちの
前にいる沙羅ちゃんと

違う人の前にいる
沙羅ちゃんは
少し別人だった。

いつも振り撒いている
笑顔はちょっと
偽物で

本当はとても
綺麗に笑う子なのに
それが見れるのは
舞奈海ちゃんと
透悟といる時だけ。

不思議だったよ。

なんでそんなに
人を寄せつけない
オーラを出すのか。

なにを1人で
抱えているのかって。

< 281 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop