今日の・・・
11月25日

 すっかり寒くなった今日この頃。今日はちょっと深刻な相談があって出かけた。いとこの千秋ちゃんに頼まれて、ママ友だという人の家に行った。千秋ちゃんは私より7才年上で3歳の女の子のママでもある。
「ごめんね、勉強、忙しいんちゃう? おばさんに頼もうと思ったんだけど・・・」
私たちは千秋ちゃんの運転する車でその家に向かっていた。
「ううん、いいよ。お母さん、先週から北海道旅行やからね・・・。ほんま、自由奔放な人やで」
私はため息混じりに言った。それから
「お母さんほどスピード解決は出来ないかもしれないけど・・・、まだ発展途上やからね」
と付け加えた。

 車はやがて2車線の国道を右折し、住宅街へと入って行った。坂に沿って沢山の家が立ち並び、もう一度一人で来いと言われても無理だろうな、と言うくらい右へ左へ曲がった。やがて、坂を上がり切った頂上の角地に経つ茶色い屋根瓦、クリーム色の家が見えてきた。
「わぁ、雰囲気あるなぁ・・・」
私は思わず言った。まだ車は到着してなかったので、千秋ちゃんは驚いたように、
「わかる?!」
と言った。
「うん。この家は、あかん」

 チャイムを鳴らすと、すぐに一人の女性が現われた。
「いらっしゃい!」
細身のきれいな人で、後ろに男の子が恥ずかしそうに隠れていた。
「こんにちわ。いとこのアツミちゃん、連れて来たよ。あっちゃん、三田 恵子さんと翔君。うちの子と同い年」
千秋ちゃんが紹介をしてくれた。
「こんにちは」
私は軽く頭を下げた。
「初めまして。ごめんなさいね、忙しいのに・・・。さ、とにかく入って」
恵子さんはニコリと笑った。
「お邪魔します」



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