―雪女郎―  風鈴
「珍しいね。雪月。」






「風鈴姐さんから、使いを頼まれました。」






ある座敷で、煙管をふかす女性に桃色の霞草を差し出した。






「風鈴が、これをわっちに・・・」






女将が呟いた。





しかし、すぐに微笑んだ。






「成長したもんだ。あいつも・・・」







「雪月、霞草の花言葉をしっているかい?」






「いえ・・・」






「そうか。」






女将は考え深げに呟いた。






そして、雨がしとしとと降る窓を見つめて言った。






「今度会う時までに調べておきな。使い、御苦労でありんす。」
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