愛してるの魔法
最後の日が明日に迫った日の夜。私は一人、部屋で真っ白な便せんに想いを綴った。

たったの五文字。

それだけを書くのにだいぶ時間がかかった気がする。


沢山の思い出の中で、彼は沢山の愛を紡いでいた。それを思い出しては、切なくなった。



“俺さ、愛しちゃってるんだよね。”


そう言ってくしゃっとした笑顔を咲かせた日も。


“頑張ってくださーいっ!!成功したあかつきには今までの分まとめて賽銭くださーいっ!!”

“なにぃっ?!?!”


そう言って大袈裟に顔を歪め戯けて見せた日も。


“マジ、どーしたらいんだよ?”

“告白しちゃえば?”



そう言って眉をしゅんと垂らした日も。




“ちょっ!!さっき話できたんだけどっ!これって御利益じゃん?”

“嬉しそうだねぇ〜!”


そう言って無邪気にはしゃいでた日も。





“愛しちゃってるなぁ…俺。”

“愛しちゃってますねぇ。”


そう言って男らしさを垣間見せた日にも…


私は貴方を想ってた。
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