愛してるの魔法
「なに買うか決めてるの?」
お店に向かいながら聞くと、眉を八の時にして“まだ”という答えが返ってきた。
それでも、プレゼントとは関係のない話をしながら目的地を目指した。
すれ違うカップルを見つける度、私達もそう見えるのかな?なんて勝手に思って少し照れた。
「んー‥‥」
女の子向けの商品が沢山並んだショーケースや棚を真剣な目で見つめる美人君。
きっと菜々ちゃんで頭がいっぱい。
「いいのあった?」
ほんの少しの意地悪で、彼に声をかける。
「いや、何がいいかサッパリ!!」
ほら、今は私を見てくれる。
「ラブなら何が嬉しい?」
「そうだなぁ…何でも嬉しいよ?」
貴方がくれるなら。
「そーなの?」
「だって、付き合えたら渡すんでしょう?好きな人から貰えるものなら何でも嬉しいよ。」
「そんなもん?」
「女の子はね。」
そう言うと、美人君は嬉しそうに笑った。