だから感謝してる

素直になれ



いつもその一言に救われた

泣きたいなら泣け



会いたいと思ったら言え

そんな単純なことさえ出来なくなっていた私に


奴は

真っ正面からぶつかってくれた


「チビ」

「ガリ」

「デブ」

「変態」

「ドブス」

キィーと怒って叩くと

ニンマリと意地悪な笑顔を浮かべて
数倍返し


K-1を見ていたら


「こいよジョニー」

「誰がジョニーだ!」


試合開始


手加減無しに蹴ってくるし

お互い痣だらけ。


でも


楽しかったんだ


奴はいつも本気でぶつかってきて




「言わなきゃわかんねーんだろ!」



私も本気になるまで忍耐強く待ってくれて




「寂しい…どうしようもなく寂しくて
…うざいって思われたくない!」



ぶつかった後は





「そんなことかよ」



私っていう人間を




「おまえが重いのは初めっから覚悟してたし」



なんでもないような顔して


「言えよ全部、俺はお前から逃げないし

離すつもりもない」



全てを受け入れてくれた



「「……タアッ!」」


綺麗に決まったクロスカウンター


「お前手加減しろよ!」

「イチこそ!あたしは女よ!」


どんな喧嘩の後も最後は笑って抱きしめあった




「奈美…その頬どしたの?」

「え?げっ!!」

友達と連れしょんついでに鏡前でのおめかしタイム。

そこには昨日のクロスカウンターの後がしっかりと残っていた


「イチの奴!昨日K-1してた時だわ」

「……何してんのあんた等…」


暴力かと思ったと周りに心配されたけど

それすらも笑えた



幸せだった
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop