スリー・イヤーズ・カタルシス



彼女は



抱えたひざに



顔をうずめてそこにいた。



小さな鳥が



寒さに凍えて



身を丸めているみたいだった。



スカートはびりびりで



上に着ていた服も



びりびりに破かれていた。



彼女はおれの姿を見て



怯えるように



身を固くするように



壁にはりついた。



おれはあまり彼女の体を



見ないようにしながら



ペットボトルの水と



スウェットの入った袋を



彼女に向かって



差し出したんだ。




< 10 / 31 >

この作品をシェア

pagetop