スリー・イヤーズ・カタルシス
まず
おれは酔っ払った上に
あの少女の姿に
ひどいショックを受けていたから
走りながら考えるしかなかった。
服を売っているような店を
思い出さなきゃならなかった。
もう夜の2時ぐらいだったと思う。
そんな時間に
服なんか買ったことないおれは
でたらめに
走り出していたんだ。
するとたまたま
ドンキホーテの看板が見えたってわけ。
でも
これからがまた大変で
おれは酔っ払って走ってきたから
吐き気がするほどのめまいがして
こめかみの血管がどくんどくんと音をたてていて
店の中でもどしてしまいそうだった。
そんな状態で
彼女に着せる服を考えて
探さなきゃいけない。
また困ったことに
店が5階建てなんだ。
1階の売り場に
服らしきものもあったんだけど
よく見るとコスプレ売り場さ。
そんなもの買って
あんな状態の彼女に着せるなんて
鬼畜もいいとろだ。
で
おれはさんざん店の中をうろついて
スウェットに目がとまったわけだ。
あと
ペットボトルの水2本買って
あの子のいる
ビルのすき間へ
戻っていった。