年上彼氏*短編*
もう、いるわけない。
だけど…
気が付いたら私はバックを手に公園へ向かっていた。
スウェットだけで少し寒い。
シンッとした公園。
居るわけないよね、どうせ別れ話だよね。
家に戻ろうとした時、
「夏希…!?」
ビクッとした。
聞き慣れたハスキーな仁の声が耳に入る。
振り返るとそこには仁が居た。
「仁…」
「夏希!俺…」
「ずっと外に居たの!?大丈夫?寒いのに…」
そう言うと仁は曖昧に笑った。
私は急いで自販機でホットココアを買って仁に渡す。
「ありがとう…」
「ごめんね、メールとか気付かなくって」
「俺こそ…本当ごめん。誤解なんだよ」