きっとここで君に出会うために
「うっし、帰るかー」
勢いよく起き上がってあたしの手を握る。
そのままあたしを強く引っ張って、
あたしがあいつの上に覆いかぶさる形になる。
「その前にーぎゅー」
あたしの頭を抱えて、
あたしの頭に頬を寄せた。
「よし、響ちゃんはきっと頑張れるよ」
「うん」
「おっし、お母さんとこ行くかー」
あたしの手を引いて歩き出す。
それについていく足どりはなんとなく軽くなった気がした。