枯れた心に愛を
【光希】
職員会議中に羅葡から電話がかかってきた。
いつもなら、こんな時間にはかけて来ないはず。
会議を抜け廊下に出て折り返しかけた
「もしもし?どうした?」
「光希……まさおが……死んじゃった…」
息が出来なかった。
この前会ったばかりなのに…元気だったよな?
「な…何で……?」
「オババの後を追うようにって親父が……それでね、ばあちゃんが光希呼べって。今から無理?」
俺が行っていいのか?
でも、羅葡が心配だ。
「直ぐ行く」
校長に親が倒れたと嘘を付き、羅葡の所に車を走らせた。
水澤邸に着き羅葡の元に急いだ。
「光希悪いわね…」
雫さんに謝られた。
「いえっ…あの〜俺なんかが居て良いんですか?」
「羅葡の婚約者なんだから居ていいの。それに…」
表情が曇ったのがわかる。
そしたら、弁護士だろう人が話始めた。
「故・水澤まさお氏の遺言を読み上げます。
遺産は全て娘…羅葡に譲り渡す」