粉雪
『俺んちに来る!バイト減らす!教習通う!
全部、決定な?(笑)』


「…わかったよ。
全部隼人の言う通りにすれば良いんでしょ?!」


諦め半分でため息をついた。



『あははっ!オッケ!(笑)』


だけど隼人は、そんなあたしの答えに隼人は満足そうに笑った。



「その代わり、お金はいらないから。
教習代くらい、余裕であるし!」


『そっか、バイト頑張ってたもんな。
でも、マジで困ったら言ってな?
50くらいなら、今すぐ出せるから!』


「いらないって!」



あたしにとって、50万なんてのは大金だ。


隼人のお金を馬鹿にするつもりはないけど、

毎日汗水垂らして働くことが、馬鹿馬鹿しく思えてくる。



『…合鍵もいらない?』


「それはいります!」


真っ赤になり、口を尖らせた。


結局あたしは、隼人に振り回されてる気がする。


先のことなんて、何も分からなかった。


だけどこの時は、自然と不安だとは感じなかった。


だって隼人の笑顔は、全然悲しそうじゃなかったから。


だから、安心してたんだ。


隼人の隣で笑ってることが、一番幸せだと感じた。


まるで自分の居場所が出来たようで、それが堪らなく嬉しかった。



ねぇ、隼人…


隼人もあたしと同じように、幸せを感じてくれてたのかな?


そうだったら、嬉しいよ。


なのに何で、あたし達は離れる運命だったのかな?


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