もう一度君に会いたい
一章


――
自己紹介が遅れた。俺の名前は雷泉 春(ライセン ハル)。今日から高校生だ。……自分で言うのも何だけど、俺は昔からモテた。
父親譲りの端整な顔立ち、身長。

だけど俺は、俺の顔だけで言い寄ってくる女が大嫌いだ。

~〇×駅~

そんなことを思っていたら高校の最寄り駅に着いた。


――
駅から降りて学校へと歩いていったら、さすがに入学式だけあって人が溢れるほどいた。
俺はそんな人混みを掻き分けながらクラス表を見て自分のクラスへと向かった。

――
クラスに入ると、今まで騒がしかった教室が水を打ったように静かになった。

でもすぐに騒がしくなった。…特に女が…。
『(はぁー)』

俺はこれから始まる高校生活を思い浮かべて、深いため息をついた。


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