グレフルフレーバー
 いつの間にか、中学から知っている顔ぶれが続々と集まり、皆で連れ立って教室へ向かった。

 和也達のクラスの担任は、ちょっとやる気の無さそうな感じの男性教師だった。見た感じはまだ若そうだが、覇気がないのだ。

「おーし、じゃまず俺から自己紹介始めるぞー。担任の三橋だ。見ての通りの独身貴族だ。独身のお姉さんや親戚の女性が居る者は、後で職員室に来い。ハイ次」

教室の笑い声がおさまって、一番前の廊下側の席から順番に自己紹介を始めた。
知っている顔もあれば、始めて見る者もいる。真ん中より一つ窓側の列の一番後ろに座っている男子生徒の番が来て、彼が立ち上がると、教室のあちこちから声が漏れた。

 彼の身長は180をゆうに超えていた。
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