グレフルフレーバー
「相原もバスケ部に入るの?」
敏男はそう言って右手に持った入部届の用紙をひらひらとさせた。
指が長い。
和也は敏男の指に一瞬見入って、はっとして敏男の顔に目を向けた。
「?何だ、違うのか?」
「あ、いや、うん。バスケ部だよ」
「そうか、じゃ一緒だな」
部室にはまだ誰も来てなくて、二人は暫く部室で顧問の先生を待つことにした。
その間、二人は色々な話をした。
敏男はこの春、父親の仕事の都合でこちらに越してきたらしい。本当は行きたい高校があったけれども、自分一人で向こうに残ると、生活費の事などを考えると、それは経済的にも厳しく、一緒に越してくることにしたそうだ。それでもバスケは続けたくて、せめて地元ではそこそこ強いチームのある高校を、と思い、この学校にしたのだと敏男は言った。
他にも、バスケはいつから始めたとか、ポジションはどこだとか、バスケの話は尽きなかった。そうこうしているうちに、顧問の先生がやってきて、二人の入部届を受け取った。
「じゃあ、今日はまず見学しておけ。練習には来週から加わってもらうからな。言っておくが、うちの練習は厳しいぞ」
覚悟しておけ、と先生は言った。和也と敏男は顔を見合わせた。
敏男はそう言って右手に持った入部届の用紙をひらひらとさせた。
指が長い。
和也は敏男の指に一瞬見入って、はっとして敏男の顔に目を向けた。
「?何だ、違うのか?」
「あ、いや、うん。バスケ部だよ」
「そうか、じゃ一緒だな」
部室にはまだ誰も来てなくて、二人は暫く部室で顧問の先生を待つことにした。
その間、二人は色々な話をした。
敏男はこの春、父親の仕事の都合でこちらに越してきたらしい。本当は行きたい高校があったけれども、自分一人で向こうに残ると、生活費の事などを考えると、それは経済的にも厳しく、一緒に越してくることにしたそうだ。それでもバスケは続けたくて、せめて地元ではそこそこ強いチームのある高校を、と思い、この学校にしたのだと敏男は言った。
他にも、バスケはいつから始めたとか、ポジションはどこだとか、バスケの話は尽きなかった。そうこうしているうちに、顧問の先生がやってきて、二人の入部届を受け取った。
「じゃあ、今日はまず見学しておけ。練習には来週から加わってもらうからな。言っておくが、うちの練習は厳しいぞ」
覚悟しておけ、と先生は言った。和也と敏男は顔を見合わせた。