青碧の魔術師(黄昏の神々)
イシスが、その女性に出会ったのは、ほの暗い闇の中だった。

女が、婉然(えんぜん)と微笑む。

その顔はどう言う訳か、イシスに瓜二つだった。


「貴女は……誰?」


首を傾げて問うイシスに、彼女は、柔らかな笑顔を見せて言った。


「私は、貴女。今の貴女が、生まれ変わる前の女。貴女の歪まされた運命を元に戻す為に、貴女に会いに来たの」

「私の歪んだ運命?」

「魔人との婚姻……」


彼女の一言に、イシスは凍り付いた。


「何故……それを……」

「知っているのか……でしょう?」


イシスは、コクリと頷くと、じっと女性を見つめた。


「私の魂と、貴女の魂は同じもの。私は貴女。ただ貴女の中で眠っていただけ……。そんな時、貴女の嘆きが聞こえた。救いを求める声が聞こえた……」

「あ……」


イシスの瞳が、少しだけ希望の色に輝いた。


『魔物の妻に成るのは嫌。でも私が魔物の下へ行かなければ、国民は、父王様は、この国は、一体どうなってしまうのか解らないから……』


『花嫁にならずとも、皆が幸せになる方法を、この女性は、知っているとでも言うのでしょうか?』


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