恋、来い、請い



「・・・・・・・・・・・・・・よぅ。」
「・・・・・・・・・・・・・・え?」





そして、朝。

いつもは私が一葉の家の前で待つ。
それから学校に行くのに。

今日は。

一葉がウチの玄関まで来て。

インターフォンを押した。




「ちょっ・・・・・・母さん!行ってきます!!」
ソファの上にあった鞄を急いで取って外に出た。

一葉の手を引いて。





「朝から元気だなぁ・・・・千衣?」
「あのさぁ・・・・今ので寿命ちぢんだよ」
「あぁごめん」

親にばれるのはもうきっと大丈夫。
だからそれはいいんだけど・・・


いきなり来ないでよ。


「あ~・・・・それで、その~」
一葉が急に口ごもった。

「なに?」
こう見えて私は結構勘がいい。
だから今、大切な話をすることは分かる。

もしかして




『あの』答なのかな?
 
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