秘密恋愛



「・・・ン・・・潤!!」

『!!』

「どうかしたか?
急に黙り込んで。」

『うぅん・・・。
なんでもない。』

「んじゃ。ここらへんでいいか?
新入生はこっちだろ?」

わざわざおにいちゃんはあたしのために回ってくれたみたいだ・・・。

『うん。ありがと。』

「また後でな。」


そう言って自分のチャリ小屋に行ったおにいちゃん・・・。


『ふぅ・・・。』


「じゅ~ん~!!」

『あかりぃ!!』

「おはよっ!」

あたしの親友。
木之下亜香莉(きのしたあかり)。
あかりとは小学校からの腐れ縁。
なんでも話せる親友だ。

でも、おにいちゃんのことは言ってない・・・。

否定されるのが怖いんだ・・・。

1番の親友だからこそ、
きっと1番こたえるから・・・。

たしかに後ろめたいときもあるけど、
それ以上に、あかりに嫌われたらって思うと・・・

やっぱり言えないんだ。


「潤!!クラス見にいこ!!」

『うんっ!!』


やっぱり言えない・・・。



「あたしは1組だ!!
・・・って、潤の名前ないし・・・。」

『あ!!あった・・・。
あたしは3組だ・・・。』

「違うクラスになっちゃったね・・・。」

『しょうがないよ。
新しい友だちつくればいいんだもん!』

「そうだね!!」


そんなふうに思わなきゃやってらんないよ・・・。

ただでさえ朝のことで落ち込んでんだもん。


「じゃあ、またあとでねぇ~!」

『うん!!ばいばい~』

そういってあかりと別れた。






< 4 / 531 >

この作品をシェア

pagetop