秘密恋愛
「・・・ン・・・潤!!」
『!!』
「どうかしたか?
急に黙り込んで。」
『うぅん・・・。
なんでもない。』
「んじゃ。ここらへんでいいか?
新入生はこっちだろ?」
わざわざおにいちゃんはあたしのために回ってくれたみたいだ・・・。
『うん。ありがと。』
「また後でな。」
そう言って自分のチャリ小屋に行ったおにいちゃん・・・。
『ふぅ・・・。』
「じゅ~ん~!!」
『あかりぃ!!』
「おはよっ!」
あたしの親友。
木之下亜香莉(きのしたあかり)。
あかりとは小学校からの腐れ縁。
なんでも話せる親友だ。
でも、おにいちゃんのことは言ってない・・・。
否定されるのが怖いんだ・・・。
1番の親友だからこそ、
きっと1番こたえるから・・・。
たしかに後ろめたいときもあるけど、
それ以上に、あかりに嫌われたらって思うと・・・
やっぱり言えないんだ。
「潤!!クラス見にいこ!!」
『うんっ!!』
やっぱり言えない・・・。
「あたしは1組だ!!
・・・って、潤の名前ないし・・・。」
『あ!!あった・・・。
あたしは3組だ・・・。』
「違うクラスになっちゃったね・・・。」
『しょうがないよ。
新しい友だちつくればいいんだもん!』
「そうだね!!」
そんなふうに思わなきゃやってらんないよ・・・。
ただでさえ朝のことで落ち込んでんだもん。
「じゃあ、またあとでねぇ~!」
『うん!!ばいばい~』
そういってあかりと別れた。